高齢者脆弱性骨折治療センター Zeijyakuseikossetu
高齢者脆弱性骨折治療センターは地域住民の高齢者の骨折に対して3つの柱で治療にあたります。
3つの柱とは・・・
①患者に寄り添った適切な骨折治療
患者に寄り添った適切な骨折治療とは、骨折治療学会評議員である医師が、現在の最新の知識をもとに骨折の治療に取り組みます。
②患者に必要な栄養改善のための治療
患者に必要な栄養改善のための治療とは、日本臨床栄養代謝学会認定のTNT(true Nutritional Treatment: 栄養改善に対するトレーニング)の知識をもとに、医師と管理栄養士が高齢者が陥りやすい低栄養の改善を図ります。
③患者に最適な骨粗鬆症治療
患者に最適な骨粗鬆症治療とは、日本骨粗鬆症学会認定医師が、患者の状況に応じた最適の骨粗鬆症治療を行います。
高齢者の4大骨折が主な対象です。
大腿骨近位部の骨折
脊椎椎体骨折(圧迫骨折)
橈骨遠位端の骨折(手首の骨折)
上腕骨近位端骨折(肩の骨折)
「高齢だから、仕方ない」ということではなく、可能な限り元の活動性を目指して地域に寄り添って総合的に治療を行います。
高齢者脆弱性骨折治療センターの特徴
その1 最新の検査機器を用いて診断します
1)3次元CT検査(3DCT検査)、MRI検査
骨折した部位を立体的に観察可能であり、カラーモードCTではより詳細に骨折部を抽出します。
2)最新の骨密度検査
骨の強さは、骨密度が70%、骨質が30%を担当するとされています。
当院では、骨密度検査においては、県内でも2ヶ所にしかない骨密度と骨質の両方を計測する新しい骨密度想定装置が2020年度から導入されています。
骨質を測定する海綿骨構造指標(TBS, trabecular bone sore)も活用して、最新の骨粗鬆症の治療にあたっています。
骨粗鬆症認定医が、骨密度検査から、最適な骨粗鬆症薬を選択し、治療にあたります。
骨折治療だけでなく、骨粗鬆症治療に関心がございましたら「高齢者脆弱性骨折治療センター」にお問い合わせ下さい。担当医ができる限りわかるように説明し、最適な治療を提案いたします。
その2 最新のインプラントを用いて治療します
1)大腿骨近位部骨折
高齢者の転倒に伴って生じる骨折であり、最も手術が必要とされる骨折です。日常生活動作の低下が危惧され、適切な手術とリハビリが必要とされます。栄養状態の低下も見られ、栄養改善も重要な課題です。
2)橈骨遠位端骨折
転倒した際に手をついて起こることが多い手首の骨折です。
従来は、ギプスでの治療が多い傾向でありましたが、近年は比較的手術を行う患者様が増えてきています。
全身状態が問題なければ手術を勧めます。手術の利点は、固定期間が短く、もとの日常生活に早く戻れるところです。
3)上腕骨近位端骨折
転倒した際に肩から落ちて打ち付けた場合に起こることが多い肩の骨折です。
全身状態が問題なければ手術を勧めます。手術の利点は、固定期間が短く、もとの日常生活に早く戻れるところです。リハビリも必要であり、入院治療をおすすめしています。
その3 チーム医療で連携して治療にあたります
その目的は、最初の骨折への対応および骨折リスク評価と、新たな骨折の防止、また最初の脆弱性骨折の予防であり、サービスの提供対象は大腿骨近位部骨折例、その他の脆弱性骨折例、骨折リスクの高い例や転倒リスクの高い例、高齢者一般です。
当院では高齢者の栄養改善と骨粗鬆症治療の両方の取り組みを行っています。
低栄養が危惧される高齢者の栄養改善と骨粗鬆症の予防と治療を行うこと、この両方を行うことが今後の高齢者医療に不可欠であると考えられます。
入院中には、介護保険の見直し、利用可能なサービスの提案も行わせていただきます。
栄養不良に対しても、管理栄養士が対応します。
◎担当医紹介
医 師 | 保持資格 | 所属学会 | ||
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松本 卓二 | 医学博士 日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会脊椎脊髄病医 脊椎脊髄外科学会指導医 骨粗鬆症学会認定医 日本臨床栄養代謝学会TNT認定医 難病指定医 医師少数区域経験認定医 中部日本整形外科災害外科学会評議員 日本骨折治療学会評議員 |
日本整形外科学会 日本脊椎脊髄病学会 日本脊髄障害医学会 日本骨折治療学会 日本骨粗鬆症学会 日本臨床栄養代謝学会 中部日本整形外科災害外科学会 日本リハビリテーション栄養学会 日本リハビリテーション医学会 和歌山県整形外科医会 |